本記事では「Evangelist(エバンジェリスト)とはなんなのか?」をエバンジェリストの第1人者とも言える西脇 資哲さんの新書「エバンジェリストの教科書」から「エバンジェリスト」はどんなことをするのか、わかりやすく説明していきます。
Evangelist(エバンジェリスト)とは?
Evangelist(エバンジェリスト)とはなんなのか。言葉の意味だけでいうと、エバンジェリストとはキリスト教における「伝道師」の意味でした。近年では新しいテクノロジーやサービスをSNSなどのオンラインやさまざまなセミナーやイベントに参加、登壇して広げる活動をしていく人のことを指しています。
第1世代のEvangelist(エバンジェリスト)
2000年〜2017年くらいまでの「Evangelist(エバンジェリスト)」は、マイクロソフトやIBM、adobeなど外資系テクノロジー企業の社員で、自社の商品をわかりやすくユーザーに伝える役割の人が主でした。IT業界では有名なマイクロソフトのエバンジェリスト西脇 資哲さんや、澤円さんなどが日本では有名です。
特徴としては、一般ユーザーの上にエバンジェリストは、情報が最も詳しく、権威者のような立ち位置で、シャワーのように情報をユーザーに発信していくようなイメージでした。そのため、企業に認定を受けることで「Evangelist(エバンジェリスト)」と名乗れるようになるという風潮でした。
第2世代のEvangelist(エバンジェリスト)
2018年〜最近での「Evangelist(エバンジェリスト)」は有名企業に勤めているというよりは、新しいテクノロジーや、サービスについて没頭して詳しくなって伝えたいという若い世代がエバンジェリストと名乗って活動することも多くなっています。若くてもエバンジェリストになれるのか?という疑問もあるかもしれませんが、対象(テクノロジーやサービス、土地や商品など)に愛情を持っていて、伝えたいという人が、他の人にそれを広げて、自分もさらに成長していくというスタイルが多くなっているようです。確かに、メタバースやNFT、WEB3.0といった新しいデクノロジーの世界では権威者というのは存在しません。勇気を持って1歩を踏み出し、変化の波に柔軟に乗っていける人こそが現代の「Evangelist(エバンジェリスト)」とも言えそうです。コロナでオンライン活動がベースとなっている今、SNSや動画を通じて気軽に活動が始められるので、自分の専門分野がある人は「Evangelist(エバンジェリスト)」と名乗ってOKという風に受け止められています。特にコロナ下では行きたい場所に行けない、体験できないということもあって、それを伝える地方やアクティビティのエバンジェリストが増えている傾向にあります。
このように愛情と情熱がある人が率先して伝えていくことが、エバンジェリストの本質だと言えそうです。
エバンジェリストに重要なスキル
専門知識があることはもちろんですが、人に伝えることが役割の「エバンジェリスト」には、人に伝えるためのスキルやノウハウが重要です。特にオンラインの時代だからこそ、伝え方が悪ければ伝播させることはできません。
プレゼンテーションスキル
エバンジェリストにとって、最も重要といえるのはプレゼンテーションのスキルです。理路整然としたプレゼンテーションができるというよりは、人にわかりやすく伝える、情熱を持って伝える、魅力的に伝えるというテクニックといえるでしょう。セミナーで話をしたり、取材を受けたり、SNSで発信していく中で
セルフブランディング
オンライン時代の今、良いものを伝えようとしても伝え方が悪ければ全く伝わりません。例えばオンラインセミナーでプレゼンをする場では、いかに相手に好印象を与えながら伝えたいメッセージを発信するかが重要です。基本的なことですが、綺麗な画質でクリアな音声、背景や格好がテーマにふさわしいか。小さなことに思えますが、これらは視覚的な情報になりますので映像の場合はとても重要です。
専門技術に関する知識
もちろん専門分野があればその知識の深さや最新技術を持っていることが重要です。しかし、知識があるからといってエバンジェリストになれるわけではありません。あくまでも人に伝えるスキルが最も重要で、加えて専門知識があることがエバンジェリストには必要です。
人を巻き込む力
近年では、人に伝える活動をするだけではなく、人から人へ情報が伝播されるような人を巻き込んでいくスキルが必要になってきます。