近年では政府や企業のDX推進の追い風もあり、ITエンジニアの需要や注目が高まっています。株式会社SAKURUGが2019年3月に高校生・大学生(大学院生)480名を対象に実施した「システムエンジニア・プログラマーに対するイメージ」についてのアンケート調査では、「自分が将来就く職業の一つとして、システムエンジニア・プログラマーに興味はありますか?」という回答に対し、約半数(55.5%)が「興味がある」と回答しています。

参考: サクラグ、高校生・大学生を対象に 「システムエンジニア・プログラマー」についての意識調査を実施  全体の半数以上が“システムエンジニア・プログラマー”に興味あり

また、エンジニア・クリエイター向け求人サイト「レバテック」にてレバレジーズ株式会社が実施したアンケート調査では、フリーランスに転身したエンジニアが案件を選ぶ上で最も重要とするのは「収入」と「スキルアップ」であるという調査結果もあり、多くのITエンジニアがエンジニアとしてのキャリアを歩みだした後も収入やスキルアップを目的に活動をしていることがわかります

参考;フリーランスに転身したエンジニア・クリエイターが案件選びで最も重視するのは「企業・サービスのブランド」より「収入」と「スキルアップ」

この記事では、様々なITエンジニアの職種を紹介します。ITエンジニアとしての就労に興味がある方や、ITエンジニアになった後のキャリアアップ方法を考えたい方はぜひ参考にしてみてください。

ITエンジニアの職種を分類

一言にITエンジニアと言っても、様々な種類があります。大きく分類すると以下の職業系列となります。

・開発系

・インフラ系

・サポート/ セールス/ その他

・上流工程系

開発系の職種

開発系の職種は以下です。

・プログラマー

・システムエンジニア(SE)

・アプリケーションエンジニア

・組み込みエンジニア

プログラマーとは

プログラマーは、設計書(仕様書)を元に実際のプログラミングを行う仕事です。プログラミング(コーディング)だけをする仕事としてコーダーと呼ばれることもあります。

仕様書通りにプログラミングしてもシステムが動かない(バグが起こる)場合には、仕様書の欠点を指摘する役割もあります。

実際にシステムをプログラムする花形の職種です。

システムエンジニア(SE)とは

システムエンジニアは、クライアントの要望に応じたシステムを設計する仕事です。要件分析(クライアントからの要望をヒアリング)から、システムの実装、テストまでを行います。

システムエンジニアの設計に基づいてプログラマーがコーディングします。システムエンジニアがコーディングまで担う場合もあれば、マネージャーの立場でチームを統括することもあります。

アプリケーションエンジニアとは

スマートフォンアプリやゲームなどのアプリケーションを制作するのがアプリケーションエンジニアです。SE(システムエンジニア)はITシステムに携わりますが、AE(アプリケーションエンジニア)はアプリの設計や構築、運用に携わります。

スマートフォンアプリやゲームだけでなく、社会的なITインフラの一部分となるアプリケーション開発に携わるなど、領域は多岐にわたります。

組み込みエンジニアとは

組み込みエンジニアは機械の中で制御するコンピューターの設計や開発を行います。家電製品も組み込みエンジニアが必要とされる分野です。近年では「IoT」に注目が集まり、全てのものがインターネットに繋がる時代の到来を迎えています。その流れに伴って、組み込みエンジニアの需要も高まっています。

インフラ系の職種

インフラ系の職種は以下です。

・サーバーエンジニア

・ネットワークエンジニア

・セキュリティエンジニア

・データベースエンジニア

サーバーエンジニアとは

サーバーエンジニアは、ITインフラの基盤となるサーバーの設計や構築、運用、保守を担うエンジニアです。

ITシステムには「メールサーバー」や「FTPサーバー」「認証サーバー」など様々なサーバーが必要です。それらの設計や構築を行うのがサーバーエンジニアの仕事です。

サーバーがダウンした場合にも運用ができる危機管理や、サーバーの負荷を分散させる設計能力も求められます。

ネットワークエンジニアとは

ネットワークエンジニアは、コンピューターネットワークを専門的に扱います。ルータや、サーバ、ファイアウォールといった機器の知識が必要です。CCNAやCCNPといった資格を取得することもできます。

ネットワークの設計・構築・運用・保守という幅広い役割があります。

セキュリティエンジニアとは

セキュリティエンジニアは、セキュリティの驚異から社内のシステムを守る役割をします。顧客情報の漏洩や、サイバー攻撃、システムの停止、コンピューターウイルス感染などのセキュリティ脅威を防ぎます。

ネットワークやサーバー、情報セキュリティマネジメントなど幅広い知識が必要となる職種です。

データベースエンジニアとは

データベースエンジニアは、「データベース(データが保存・蓄積されているシステム)」の設計や構築、運用、保守を行います。

存在する多くのシステムにはデータベースが必須であり、システムの最も重要な部分を構築、保守する責任がある仕事です。

近年では、ビックデータの活用も注目されており、将来性も期待できます。

サポート/ セールス/その他の職種

ITエンジニアの中にはサポートや、セールスに携わる職種もあります。開発やインフラに分類されないエンジニアの職種もご紹介します。

・セールスエンジニア / プリセールス

・テストエンジニア

・サポートエンジニア/テクニカルサポート

・社内SE

セールスエンジニア / プリセールスとは

セールスエンジニア / プレセールスは、システム開発に卓越したエンジニアが営業として活躍する職種です。営業の担当者に同行し、自社製品の魅力や性能を伝える役割を担います。営業職との違いは、ITや自社製品に関する専門知識を持っている点です。

IT部門や、製品の開発に長年携わってきた経験を武器に、クライアントの疑問や要望に答える役割も果たします。

テストエンジニアとは

品質管理や品質保証として完成した製品のテストを行うのがテストエンジニアです。

制作された製品にバグや挙動がないかをチェックします。ソフトウェアのテスト概念や技法の知識が必要となる仕事です。

サポートエンジニア/ テクニカルサポートとは

製品の利用者との連絡窓口となり、トラブルシューティングや操作方法のサポートを行います。製品を作成した企業の顔となる側面もあり、クライアントとのコミュニケーション能力も求められます。

デスクで仕事をするケースも多いですが、必要であれば客先に出向く場合もあります。

社内SEとは

企業内の様々な課題(事業経営・業務上の課題など)をITシステムの導入や改修で解決していくのが社内SEの役割です。課題解決のために必要なシステムを企画・立案します。必要な際には外注でサービス構築の依頼をし、プロジェクトの進捗や仕様に問題がないかのチェック・管理も行います。

職務の性質や立場上、幅広い複合的な技術や知識が求められる職種です。

上流工程の職種

最後に、上流工程の職種をご紹介します。

PM(プロジェクトマネージャー)

ITコンサルタント

エバンジェリスト

PM(プロジェクトマネージャー)とは

プロジェクトマネージャー(PM)は、プロジェクトの予算や製品の品質、進捗などに対し責任を持つ立場の管理職です。プロジェクト全体を統括し、限られたコストや人材でベストなプロダクトを制作できるようマネジメントします。

マネジメントのためには開発技術やプロダクトに対する深い知識に加え、高いコミュニケーション力も必要となります。

ITコンサルタントとは

ITコンサルタントは、ITを利用して企業が抱える課題を解決したり、企業戦略にそったシステムの提案をする職種です。経営戦略や課題に係る仕事のため、高い専門性や、プレゼンテーションスキル、経営層とのコミュニケーションスキルが求められます。プロジェクトの進捗管理や、品質管理・保証にも携わるなど、業務内容は多岐に渡ります。

エバンジェリストとは

エバンジェリストは、複雑なIT技術や、トレンドをITの専門家ではない一般ユーザーに分かりやすく解説・伝道する職種です。企業向けのプレゼンテーションや社内向けのセミナーを行うことで、ITに関する知識・プロダクト情報を普及します。

IT技術の進歩がスピードアップする現代において、エバンジェリストは高度化するITナレッジを理解し、自社に適切な戦略や人材の採用に携われる立場としても注目を集めています。

キャリアアップしたいなら、エバンジェリストを目指そう!

エバンジェリストは、IT業界で注目を集めている職種です。エンジニアとして現場での開発やPM業務、コンサルタントを経てエバンジェリストになる方もいます。エバンジェリストの中には独立・起業したり、転職して新たなフィールドで活躍の場を広げている方もいます。

近年では、エバンジェリストを養成するプログラムを持つ企業や、エバンジェリストによる書籍の執筆、企業のエバンジェリストがメディアへ露出するケースもあります。今後も社会から注目される仕事となるでしょう。

エバンジェリストについて詳しく知りたい方は以下の記事も参考にしてみてください。

エンバジェリストを目指す理由〜求人数・年収・スキル・肩書として有効〜

エバンジェリストになるには?必要なスキル、モデル、なりやすい職業を解説

まとめ

この記事では、ITエンジニアの職種についてご紹介しました。ITエンジニアの職種は多岐に渡ります。開発系、インフラ系、サポート/セールスに加え、上流工程の職種に大別できます。上流工程に分類される職種にはプロジェクトマネージャーや、ITコンサルタント、エバンジェリストがあります。中でもエバンジェリストは、現場での開発やマネジメント、ITコンサルタントを経験してからのキャリアパスとして可能性がある職種です。独立・企業やメディアに登場するエヴァンジェリストも現れ、注目も高まっています。

ITエンジニアとして更に活躍したい!キャリアアップの道を模索している!という方はITエンジニアの職種や、エバンジェリストについて更に学んでみてください!